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香水【香りの種類】特徴と効果をプロが伝授


 

  • 好きな香りを見つけたい!
  • いつも直感で好きな香りを選んでいるけど、そもそも香りの種類ってどれくらいあるの?
  • 香水の種類がたくさんありすぎてどれを選べばいいかわからない。

 

そんなあなたに必見です!

  • 香りの種類を捉えることが出来れば、自分にピッタリの香水に出会えるようになります。
  • 香りをもたらす印象の効果、特徴を理解しできれば、香水を上手に使いこなすことができるように!

今回、香水のスタイリストだからこそ提案できる各香りの種類ともたらす印象をご紹介!是非、参考にしてみてください!

プロフィール(田中里奈)

 

プロの香水スタイリング専門家/調香技術、スタイリング技法を習得したパルファンスタイリスト/フランスパリを本拠地とする香水学校「アトリエ・アローム&パルファン・パリ」の認定講師/フランスパリの香水の名門スクール「サンキエーム・サンス」に編入経験有/香水販売員経験有


目次


香りの種類を知る上で、覚えておきたい!【香りの性質】

2 

香りの種類【ノートとタイプ】

各香りの種類をご紹介!

香りの種類と香水の構成について

まとめ

1 香りの種類を知る上で、覚えておきたい!【香りの性質】


香水を付ける前に香りの性質を知っておく必要があります。

それは香りの性質や構成を知らないと、付ける場所やポイントを理解できず、香水を纏う本来の魅力を知らないのと一緒です。

 

香りは「揮発性(きはつせい」と呼ばれる性質があります。揮発性は、液体の蒸発しやすい性質のこと。蒸発するので香りは下から上に広がります。

 

parfumの語源となる「煙を通して」の煙をイメージするとわかりやすいでしょう。

 

また、香りの持続性と関係してきます。

 

レモンやオレンジ、爽やかでフレッシュな柑橘系と呼ばれる香りは「揮発性が高い」と言われています。

「揮発性が高い=蒸発するのが早いため、香りの持続性が短い」ということです。

反対に、ムスクの香りは「揮発性が低い=蒸発しにくい、香りの持続性が長い」と言われています。

 

そして湿度と気温と関係します。湿度や温度が高くなると鼻の粘膜が潤うため、同じ分子が漂っていても通常より強く感じることがあります。そのため湿気が多い梅雨の時期、あるいは気温が高い夏は強く感じ、乾燥して気温の低い冬と比べると香り立ちが異なります。

付け方にも影響する!?香りの性質


体温も同様です。脈どころは温度が高いため香りが立ちやすいと言え、香水は肌に身につけるものです。

 

そのため、手首、首筋に香水をつける仕草は脈どころが分かりやすく、鼻から近い位置にあるため、

「香りをつけた感」があり、しっかり認識できるからだと思います。

 

香水は実際に自分自身の肌に乗せ、直感で感じたままに。時間をかけて香りと付き合うことが大切です。

 

 

2 香りの種類【ノートとタイプ】


香水は沢山の香料で構成されています。そしてそれぞれの香料はノートというグループに属しています。

例えば、柑橘系のさわやかな香りはシトラスノート、ローズやジャスミン・スズランなどのお花はフローラルノートそしてその中でもより中心として感じる・主要のノートがタイプとなります。

 

香りのタイプとは、香水を識別するために主要な香りの特徴によって分類されることです。香水のタイプは大きく7グループに分かれているといわれています。     

 

料理に例えるとわかりやすいです。お肉料理にブラックペッパーなどで味や香りにアクセントをつけたりしますよね。それと一緒でメインはお肉。ブラックペッパーが主役になる料理はとても食べられません。

ここでいうとお肉がタイプブラックペッパーはタイプになることはなく、アクセントとなるノートになります!

 

美しさを大切にする香水では、ノートとタイプの役割や香りの強弱などをしっかり理解した上で、美しい香りを創作します。

本来であれば香りを実際に試し、記憶することが望ましいです。もし実際に香りを試す機会があれば、各ノートの説明を頭の片隅にでも入れておくと、香りを整理することができます。

 

気になる香水があれば、どんなが香りが特徴的で、それはどのノートに分類されるかが分かることができれば、好きな香りの種類を絞り込みことができるからです。

 

各香りの種類をご紹介!


気になるキーワードをピックアップしてみましょう。

シトラス(citrus)

タイプ◎ 

柑橘類の香りで、フレッシュ・さわやか。 エネルギッシュさを感じる香り。

(香料:レモン、オレンジ、グレープフルーツなど)

またニューフレッシャーノートと呼ばれる柑橘類をより持続性を高めた香りもあるが、香りを選ぶ上では省略

(写真 出典:写真AC)

アロマティック(aromatic)

タイプ◎

香草などの清涼感がありフレッシュな香り。清々しく瑞々しい。生命力を感じられる香り。

(香料:ラベンダー、ローズマリー、タイム、ペパーミントなど)

(写真 出典:写真AC)

マリン(marine)

タイプ×

軽くて透明感のある香り。

海や空を思わせるすがすがしい香り

出典:pixabay

フローラル(floral)

タイプ◎

可憐な、優雅な、華やかなフローラルの香り。

(ローズ・ジャスミン・イランイラン・スズランなど)

お花の香りによって印象は異なりますが、リッチフローラル、ライトフローラルと軽やかな香りからリッチで濃厚な香りまで様々ですが、タイプとしては全てフローラルタイプに分類されます。

アルデハイド(Aldehyde)

タイプ× 

輝きやメタリック感を思わせる、モダンな香り

(写真 出典:写真AC)

グリーン(Green)

タイプ×

草の葉や木の葉など緑を連想させる爽やかな香り。

きりっと爽やかにそして元気に香りたつ、

おおらかで生命力あふれる自然の香り

出典:pixabay

フルーティ(FRUITY)

タイプ×

柑橘系以外の果実。もぎたての果実のような香りで、かわいらしさ、初々しさ。瑞々しさを感じさせます。

出典:pixabay

スパイシー(spicy)

タイプ×

ペッパーやナツメグ、クローブ、カルダモンなどの香辛料がぴりりと刺激的な香り

出典:pixabay

ウッディ(woody)

タイプ◎

杉や白檀など樹木の香りで落ち着いた温かみのある香り

落ち着き、力強さを表現

(白檀・杉・ヒノキ)

(写真 出典:Pixabay)

フゼア(FOUGERE)

タイプ◎

ある香水が大ヒットし、それに似た香りがタイプとカテゴリーされるようになりました。その由来となる香水とは1882年にウビガン社のフジュールロワイヤル(王室のシダ)。ラベンダー、ゼラニウム、ベチバー、オークモス、クマリンなどが組み合わさった香り。フゼアの決め手とは、ゼラニウムの香り方とも言われています。(写真はゼラニウム)清潔感あふれる男性的な香りが特徴的です。

出典:pixabay

シプレ(CHYPRE)

タイプ◎

フゼア同様にある香水が大ヒットし、それに似た香りがタイプとカテゴリーされるようになりました。その由来となる香水とは1917年にコティ社より発売された「シープル(Chypre)」。地中海のキプロス島をイメージしたとされる作品。主にベルガモット、ローズ、ジャスミン、オークモス、パチュリ、ラブダナムなどが組み合わさった優雅で気品のある香りです。ただしIFRAの規制により現在は代替の香料が使用されております。シプレの中でも、「モダンシプレ」と「クラシカルなシプレ」があることを覚えておきましょう!

出典:pixabay

レザー(leather)

タイプ×

革製品を感じさせる香り

出典:写真AC

グルマン(gourmand)

タイプ×

美しいお菓子を思い起こさせる甘い香り

出典:pixabay

オリエンタル(Orientale)

タイプ◎

ヨーロッパから見た東洋をイメージさせる香り。

そのため東洋から持ち運ばれた香料を中心に使用されています。

官能的でミステリアスな甘く重厚な香りが特徴的です。

出典:pixabay

 

アンバー(AMBER)

タイプ×

バニラ・樹脂類・ラブダナムなどから構成された香り

出典:写真AC

パウダリー(poundree)

タイプ×

イリスなやスミレ、おしろいを思い起こさせる気品ある香り

出典:pixabay

ムスキー(MUSK)

タイプ×

温かみのある人肌を思わせる、清潔でソフトな香り

出典:pixabay

香りの種類と香水の構成


香りは揮発性の性質や種類によって分類され、それぞれ香水の役割も異なるのです。

 

そして香水では揮発性の特性で3つに分類します。「トップノート、ミドルノート、ラストノート」というのを聞いたことはありませんか。この構成がより分かりやすく「香水は、香りが移り変わる」ことを示しています。

 

トップノートに分類される香りは持続性が低く、ラストノートになるにつれ持続性が高くなります。

 

トップノートは、第一印象のようなもの。ミドルノートは、香りの中心核の部分。ラストノートはベースとなる香りです。

 

 

さっきの料理の例で例えると、ブラックペッパーの効いたお肉を例えると、お肉を食べた後にお肉の香りは消えたけど、ブラックペッパーのスパイシーな香りが口に残るようなイメージです。まさにメインのお肉がミドルノートだとすると、ブラックペッパーがラストノートに分類され、口の中で香りが移り変わっていることがわかります!

 

香水の構成 特徴

トップノート

Top Note

香りを嗅いだときに最初に感じられる香りで、強く印象に残るファーストインパクト【第一印象】

ミドルノート

Middle Note

香りの中心核の部分でその香水のイメージが最も現れる

ラストノート 

Last Note

香りのベースになる部分で香りの深みを感じられる 

実際に香水の構成を見てみよう!


ただし、商品の紹介の仕方によって、ローズやジャスミンなどのフローラルと呼ばれている香りがトップノートに記載されていることもあります。

例えば、以前もご紹介したChloe Eau de Parfum(クロエ オードパルファム)。

 

香りの構成は

 

トップノート:ボタン

ミドルノート:マグノリア、ローズ

ラストノート:アンバー、シダーウッド

 

と紹介されています。  

 

トップノートに記載があるボタンはフローラルノートの香りで、本来はミドルノートの香料に分類されます。そのため持続性が低いとは限りません。

 

その他いろんな香水説明文をみてみると、香料でのグループ分けをされているのではなく、香りを感じやすいタイミングで消費者に分かりやすく楽しめるように記載されているのだと解釈します。また上記例でみてみると、5つの香料が書いてありますが、実際はそれ以上の香料も使用されております。特徴がある香りをわかり易くしているのです。

出典: Pixabay

3 まとめ


自然が織りなす、移り変わりは香水の魅力のひとつです。

香水は1つの作品から3段階の表情があるといえます。まるで音楽の章のように。

香水は多くの種類の香りが集まり一つの香りになっています。揮発性という性質から、香りの種類によって香り立ちが異なり、移り変わり、香水の表情を豊かにします。よく香りが変化してしまうのをマイナスに捉える方もいらっしゃいますが、自然が織りなす香りの移り変わりは香水の魅力ひとつです。

 

香りを試すときは、付けたときの香り。2-3時間後の香り。4時間以降の香りを確かめ、どの経過の香りが好きなのかなと確認するのも香水の楽しみ方の一つです。

 

香りを実際に試したい方は下記ボタンより購入することができます。